メルセデス・ベンツ Sクラスのオイル漏れの修理代は?
メルセデス・ベンツに最上級モデルとなるSクラスには高級車の証しといってもいいエアサスが搭載されていますが、このエアサスは単なるエアサスではありません。
エアサスは空気バネをコイルスプリングの代わりとして使っているものですが、Sクラスに搭載されているものはそのエアサスに更に油圧式のバネを追加したアクティブボディコントロール、通称ABCサスペンションというものが使われています。
これは車高やボディの姿勢制御などを行うもので、もはやスタビライザーいらずといってもいいほどのものです。
この装備には当然ですが、通常のエアサスの装備の他に油圧式バネのために油圧系統が付けられているわけですが、その油圧系統からのオイル漏れがよく起こるようです。
疑われる部分は油圧ポンプ、ホース類、ABCコントロールバルブユニット、ABCサスペンション本体などですが、ABCポンプと呼ばれる油圧ポンプからのオイル漏れはポンプの交換を行い、部品代だけで約29万円ぐらいの費用が掛かります。
ホース類は部品としては数万円で済みますが、ホースを交換するためにトランスミッションを下ろさなければならないのでかなり工賃が掛かり、15万円ぐらいの費用が掛かります。
ABCコントロールバルブユニットからのオイル漏れの場合もそれをそっくり交換することになりますので部品代だけで1つで27万円、前後あわせて54万円ぐらいと工賃が掛かり70万円ぐらいの費用が掛かります。
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一番お金がかかる部分がABCサスペンション本体からのオイル漏れです。
これは基本的に修理ではなく交換で対処しますので、部品代のお金がかなりかかり、1本30万円、4本同時交換で120万円ぐらいの部品代がかかります。
ただ、それだけで済めばいいのですが、よくあるのが油圧系全てからのオイル漏れでそうなってしまうと軽く200万円は超えてしまいます。
正常に機能していればこれほどいいものはありませんが、そのツケが故障した時の修理費用となってしまうわけです。それからこれはSクラスではよくあることなのですが、オートマチックトランスミッションからのATオイル漏れです。
ATオイルは赤っぽい色をしていますのでエンジンオイル漏れとの判別は容易です。
漏れる場所はAクラスやBクラスなどで起きているCVTオイル漏れと全く同じ、配線を繋ぐためのコネクター部分からオイル漏れです。
この部分は、ATオイルがまともにジャバジャバあたるわけではありませんが、オイルまみれになっているところなので、漏れるというよりはにじみ出てくるといったことが多いようです。
ただし、メンテナンス不足であったり、ただ単に乗るだけの人の場合では、このオイルにじみにも気が付かず、ひどくなってダラダラと流れ出てくるようになってから気が付くことになるようですので、その時はATオイルの交換や補充などのも必要になります。
根本的な原因はコネクターの周りにゴム製のパッキンが付けられているのですが、そのパッキンがオートマチックトランスミッションの熱によって劣化が早まってしまい、密閉性を保てなくなったことから漏れだしてくるといったものです。
修理はOリングの交換だけで済ますので、部品代と工賃をあわせても10000円から20000円程度といった形になるでしょう。